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OpenFOAM v7 のインストール

Published at May 17, 2020 10:34 a.m.
Edited at June 19, 2020 11:51 a.m.

オープンCAE勉強会@富山 第80回 講習会:OpenFOAMを0から始める

オープンCAE勉強会@富山・富山県立大学 中川慎二

OpenFOAM Foundation版 OpenFOAM v7について

OpenFOAM Foundation が開発、公開するOpenFOAMである。
https://openfoam.org/

最新版は OpenFOAM v7 である。(リリース日 8th July 2019)
https://openfoam.org/release/7/

OpenFOAM 7 is packaged for the following platforms, with ParaView 5.6.0 including Mesa with LLVM/Gallium acceleration for systems without a (supported) graphics card:

- Ubuntu Linux: packaged installation for Ubuntu 16.04, 18.04 and 19.04 [subsequently 19.10 and 20.04];

- Other Linux: installation with a Docker container; or compilation from source code;

- Windows 10: installation using Windows Subsystem for Linux with Ubuntu packs;

- macOS: installation with a Docker container.

The OpenFOAM 7 Source Pack can be compiled on suitable Linux platforms.

Ubuntu では、パッケージ、Docker、ソースのコンパイル、といった3つの方法でインストールできる。

この講習では、Ubuntu 20.04 にパッケージインストールする。Ubuntu系OSでは、もっとも簡単なインストール方法である。

具体的な作業方法は、下記を参考にする。
https://openfoam.org/download/7-ubuntu/

実際の作業

講習会用仮想マシンで実行する作業を説明する。
If you prefer to read English, you may follow the instruction at the foundation site (link).

リポジトリの追加

仮想マシンを起動し、端末(Terminal Emulator)を起動する。

端末において、下記のコマンド(2行)を実行する。

sudo sh -c "wget -O - https://dl.openfoam.org/gpg.key | apt-key add -"
sudo add-apt-repository http://dl.openfoam.org/ubuntu

ここで,sudo は管理者権限でコマンドを実行するためのコマンドである。管理者として、OpenFOAM.org から鍵を取得してシステムに登録したあと,ソフトウェア取得先(リポジトリ repository)もシステムに登録している。

この作業は,OpenFOAMをインストールしたマシンで1度実行すれば,その後に実行する必要はない。

インストール

次に,端末において、下記のコマンド(2行)を実行する。

sudo apt-get update
sudo apt-get -y install openfoam7

はじめのコマンドは,ソフトウェア取得先から最新情報を取得するものである。2行目のコマンドは,OpenFOAMをインストールするものである。

2行目の実行時には、OpenFOAMがダウンロードされるため,環境によっては時間がかかるかもしれない。

設定情報の追加

OpenFOAM 7 を利用するためには,端末において,OpenFOAM 7 の環境設定情報を読み込む必要がある。

下記コマンドを実行して,仮想マシンのuserユーザーの環境設定ファイル .bashrc に,OpenFOAM 7 の環境設定情報を読み込むためのエイリアス(別名コマンド)を追記する。このコマンドは,インストール後に1度実行すれば良く,毎回実行する必要はない。

echo "alias of7='source /opt/openfoam7/etc/bashrc; echo "OpenFOAM v7 is enabled on this terminal."'" >> $HOME/.bashrc

端末で下記を実行し,上記で設定した環境情報を読み込ませる。

source ~/.bashrc

設定情報の読み込みと確認

端末で下記のエイリアス of7 を実行する。先に作成した別名コマンドである。成功すると,ターミナルに「OpenFOAM v7 is enabled on this terminal!」と表示される。この端末では,OpenFOAM v7を利用することができる。

of7

下記を実行し、OpenFOAM v7 のコマンドが利用できることを確認する。

icoFoam -help

実行後に表示されたメッセージの下から2行目に OpenFOAM のバージョンが表示されている。OpenFOAM-7であることを確認する。

動作の確認

上記の作業によって,OpenFOAM v7が使用できるようになった。インストールされた先は,/opt/openfoam7/ である。ファイルマネージャーを使って,ファイルが存在することを確認できる。

通常,OpenFOAMを使用する場合には,ユーザーのホームディレクトリ配下に作業ディレクトリを作成する。

講習会用マシンのユーザー名は user であるため,作業ディレクトリは /home/user/OpenFOAM/user-7/ とする。このディレクトリは,下記のコマンドで作成できる。

mkdir -p $FOAM_RUN

OpenFOAM に付属する例題(tutorials)を作業ディレクトリにコピーし,実行できることを確認する。下記のコマンドを1行ずつ実行すると,次の作業を実行することができる。

  • 作業ディレクトリに移動し,
  • simpleFoamソルバの pitzDaily例題 をコピーし,
  • そのディレクトリに移動した後,
  • メッシュを生成するコマンド blockMesh を実行し,
  • 定常非圧縮性流れ解析ソルバ simpleFoam を実行し,
  • 結果を可視化するためのコマンド paraFoam を実行して,可視化ソフトparaviewにデータを読み込んで可視化する。
cd $FOAM_RUN
cp -r $FOAM_TUTORIALS/incompressible/simpleFoam/pitzDaily .
cd pitzDaily
blockMesh
simpleFoam
paraFoam

OpenFOAM 7 使用方法

OpenFOAM 7 を使用するときには,端末を起動し,of7 を実行する。その端末では,OpenFOAM 7 が使用できる。

関連ページ

事前作業用資料

オープンCAE勉強会@富山 第80回 講習会
OpenFOAMを0から始める:仮想マシンのインポート
https://nakagawa-lab.kibe.la/shared/entries/4513d835-b606-4db9-8815-b5fa5a8dda5d

OpenFOAM v7 のインストール ← この書類

OpenFOAM v1912 のインストール
https://nakagawa-lab.kibe.la/shared/entries/b81a7cf5-53eb-456b-8d30-f3bb61013634

当日用資料

当日資料:オープンCAE勉強会@富山 第80回 講習会
https://nakagawa-lab.kibe.la/shared/entries/8ca75947-d188-478b-8074-c0ed55be361c

当日講習資料補足:オープンCAE勉強会@富山(第80回)
https://nakagawa-lab.kibe.la/shared/entries/a6fa6eae-af46-472d-a1a5-40ff2a81c207

Dockerメモ
https://nakagawa-lab.kibe.la/shared/entries/66644ada-6ade-4d03-b4bb-580bf785d435

付録
講習用配布マシンの説明
https://nakagawa-lab.kibe.la/shared/entries/07261560-338e-4b5f-9fb9-13e446e1381f