OpenFOAM v7 のインストール
オープンCAE勉強会@富山 第80回 講習会:OpenFOAMを0から始める
オープンCAE勉強会@富山・富山県立大学 中川慎二
OpenFOAM Foundation版 OpenFOAM v7について
OpenFOAM Foundation が開発、公開するOpenFOAMである。
https://openfoam.org/
最新版は OpenFOAM v7 である。(リリース日 8th July 2019)
https://openfoam.org/release/7/
OpenFOAM 7 is packaged for the following platforms, with ParaView 5.6.0 including Mesa with LLVM/Gallium acceleration for systems without a (supported) graphics card:
- Ubuntu Linux: packaged installation for Ubuntu 16.04, 18.04 and 19.04 [subsequently 19.10 and 20.04];
- Other Linux: installation with a Docker container; or compilation from source code;
- Windows 10: installation using Windows Subsystem for Linux with Ubuntu packs;
- macOS: installation with a Docker container.
The OpenFOAM 7 Source Pack can be compiled on suitable Linux platforms.
Ubuntu では、パッケージ、Docker、ソースのコンパイル、といった3つの方法でインストールできる。
この講習では、Ubuntu 20.04 にパッケージインストールする。Ubuntu系OSでは、もっとも簡単なインストール方法である。
具体的な作業方法は、下記を参考にする。
https://openfoam.org/download/7-ubuntu/
実際の作業
講習会用仮想マシンで実行する作業を説明する。
If you prefer to read English, you may follow the instruction at the foundation site (link).
リポジトリの追加
仮想マシンを起動し、端末(Terminal Emulator)を起動する。
端末において、下記のコマンド(2行)を実行する。
sudo sh -c "wget -O - https://dl.openfoam.org/gpg.key | apt-key add -"
sudo add-apt-repository http://dl.openfoam.org/ubuntu
ここで,sudo は管理者権限でコマンドを実行するためのコマンドである。管理者として、OpenFOAM.org から鍵を取得してシステムに登録したあと,ソフトウェア取得先(リポジトリ repository)もシステムに登録している。
この作業は,OpenFOAMをインストールしたマシンで1度実行すれば,その後に実行する必要はない。
インストール
次に,端末において、下記のコマンド(2行)を実行する。
sudo apt-get update
sudo apt-get -y install openfoam7
はじめのコマンドは,ソフトウェア取得先から最新情報を取得するものである。2行目のコマンドは,OpenFOAMをインストールするものである。
2行目の実行時には、OpenFOAMがダウンロードされるため,環境によっては時間がかかるかもしれない。
設定情報の追加
OpenFOAM 7 を利用するためには,端末において,OpenFOAM 7 の環境設定情報を読み込む必要がある。
下記コマンドを実行して,仮想マシンのuserユーザーの環境設定ファイル .bashrc に,OpenFOAM 7 の環境設定情報を読み込むためのエイリアス(別名コマンド)を追記する。このコマンドは,インストール後に1度実行すれば良く,毎回実行する必要はない。
echo "alias of7='source /opt/openfoam7/etc/bashrc; echo "OpenFOAM v7 is enabled on this terminal."'" >> $HOME/.bashrc
端末で下記を実行し,上記で設定した環境情報を読み込ませる。
source ~/.bashrc
設定情報の読み込みと確認
端末で下記のエイリアス of7 を実行する。先に作成した別名コマンドである。成功すると,ターミナルに「OpenFOAM v7 is enabled on this terminal!」と表示される。この端末では,OpenFOAM v7を利用することができる。
of7
下記を実行し、OpenFOAM v7 のコマンドが利用できることを確認する。
icoFoam -help
実行後に表示されたメッセージの下から2行目に OpenFOAM のバージョンが表示されている。OpenFOAM-7であることを確認する。
動作の確認
上記の作業によって,OpenFOAM v7が使用できるようになった。インストールされた先は,/opt/openfoam7/
である。ファイルマネージャーを使って,ファイルが存在することを確認できる。
通常,OpenFOAMを使用する場合には,ユーザーのホームディレクトリ配下に作業ディレクトリを作成する。
講習会用マシンのユーザー名は user であるため,作業ディレクトリは /home/user/OpenFOAM/user-7/
とする。このディレクトリは,下記のコマンドで作成できる。
mkdir -p $FOAM_RUN
OpenFOAM に付属する例題(tutorials)を作業ディレクトリにコピーし,実行できることを確認する。下記のコマンドを1行ずつ実行すると,次の作業を実行することができる。
- 作業ディレクトリに移動し,
- simpleFoamソルバの pitzDaily例題 をコピーし,
- そのディレクトリに移動した後,
- メッシュを生成するコマンド blockMesh を実行し,
- 定常非圧縮性流れ解析ソルバ simpleFoam を実行し,
- 結果を可視化するためのコマンド paraFoam を実行して,可視化ソフトparaviewにデータを読み込んで可視化する。
cd $FOAM_RUN
cp -r $FOAM_TUTORIALS/incompressible/simpleFoam/pitzDaily .
cd pitzDaily
blockMesh
simpleFoam
paraFoam
OpenFOAM 7 使用方法
OpenFOAM 7 を使用するときには,端末を起動し,of7
を実行する。その端末では,OpenFOAM 7 が使用できる。
関連ページ
事前作業用資料
オープンCAE勉強会@富山 第80回 講習会
OpenFOAMを0から始める:仮想マシンのインポート
https://nakagawa-lab.kibe.la/shared/entries/4513d835-b606-4db9-8815-b5fa5a8dda5d
OpenFOAM v7 のインストール ← この書類
OpenFOAM v1912 のインストール
https://nakagawa-lab.kibe.la/shared/entries/b81a7cf5-53eb-456b-8d30-f3bb61013634
当日用資料
当日資料:オープンCAE勉強会@富山 第80回 講習会
https://nakagawa-lab.kibe.la/shared/entries/8ca75947-d188-478b-8074-c0ed55be361c
当日講習資料補足:オープンCAE勉強会@富山(第80回)
https://nakagawa-lab.kibe.la/shared/entries/a6fa6eae-af46-472d-a1a5-40ff2a81c207
Dockerメモ
https://nakagawa-lab.kibe.la/shared/entries/66644ada-6ade-4d03-b4bb-580bf785d435
付録
講習用配布マシンの説明
https://nakagawa-lab.kibe.la/shared/entries/07261560-338e-4b5f-9fb9-13e446e1381f